晴れのち曇り ときどき溺愛
「進藤さんが教えてくれたら助かる。パーティに出たことはないし、どんな格好をすればいいのかもわからないのよ。それなりの格好も分からないから」

「その辺は大丈夫です。父の関係でパーティにも出席したこともありますので、出席者名簿から考えて衣装などは大体分かります」

「どうしても女性同伴なの?」

「そうですね。海外では基本的にパートナーと一緒にパーティには参加します。今回は海外からの招待客も多いですので女性の同伴は必要不可欠です」


「進藤さんが出席してくれたらいいのに」


「私はダメですよ。色々と関係者が多すぎなんです。先ほど聞いた限りでは主催者である方の父親が経団連関係で父の親友ですので、私が行くとビジネスの話にはなりません。それに私は兄のパートナーとして出席することになると思います」

「お兄さんのパートナー?」

「はい。兄は父の後継です。今は普通に父の会社で営業職にありますが、将来的に会社を背負う立場です。兄は公的な場には絶対に自分の彼女等は連れていきません。今回のように女性を同伴しないといけない場合は私が出席します。と言っても私は傍にいるだけですので役には立ちませんが安全パイとしては十分に有効なんです」


 進藤さんは安全パイって自分で言いながら、仕方ないという表情をしていた。
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