晴れのち曇り ときどき溺愛
「もしも服を購入する時は教えてください。その時は私がご一緒します。それと名簿を見せて貰えますか?」


 名簿を見た進藤さんは『うーん』と少し首を傾げた。憂かない表情から何か不都合があったのだろうかと心配になる。


「そんなに大変なパーティなの?」

「システム導入の絡みで誘われたパーティと聞いてましたが、思ったよりも出席する人が重役クラスですね。システム課の室長として出席するというよりは『下坂春臣』個人として招待されています」


「そうなの?」


 下坂さんがこの会社の親会社の御曹司と斉藤さんは言っていたので、下坂さんが個人的に招待されたとしても可笑しな話ではない。


 それなら私が一緒に出席するのはどうなのだろう。システム課の室長として参加されるパーティなら同じ部署の私が出席しても可笑しくない。でも、下坂さん個人が誘われるパーティに私が一緒に出席するのは違う気がした。

「でも、春くんが一緒なら大丈夫ですよ。このようなパーティには慣れてるはずですし、この開催されるホテルのビュッフェはかなり美味しいです。準備されるシャンパンとかワインも高級なものが用意されるはずですので、梨佳さんはタダで食事が出来るくらいに思っていたらいいと思います」

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