晴れのち曇り ときどき溺愛
『久しぶり。パーティに出席するんだね。ゴメン。父の仕事の関係で今からイギリスに行くことになったの。今、成田で出国検査を受けているところ。帰ってくるのは二週間後になる。本当にゴメン」


 当てにしていた玲奈がこのタイミングで海外に行くとは思わなかった。今回のパーティの服は買うしかないのかもしれない。高級パーティに見合うだけの服ってどこに売ってて、どのくらいの値段がするの?


 見城さんから貰った資料に目を通しながらもパーティのことが頭から離れなかった。


 デパートに寄ってみて、もしなければパソコンで検索してレンタルするしかない。きっとパーティ専門のレンタルブティックもあるだろう。


 そんなことを考えていると携帯が震え、メールの着信を教えてくれ、そこにはさっき私が送ったメールの返信があった。


『拳のお祝いは私が何か用意しておくね。素敵なものを買ってくるから任せといて。さっき、琉生から連絡がきた。梨佳は明後日も会議があるって?終ってからでいいので絶対に来てね。久しぶりに梨佳に会いたいから』


 携帯の画面に映る遥の優しさに手を合わせてしまいそうになる。


『遅くなっても行く。私も会いたい』
< 194 / 361 >

この作品をシェア

pagetop