晴れのち曇り ときどき溺愛
　下坂さんは言う言葉を何度も探すかのように少しの間をおいてから私に話し出した。


「進藤さんから聞いたけど、もしかしたら今度のパーティの事で悩んでない？五条さんは相談に乗ってくれたの？」


「いえ、相談をしようと思ったのですが、五条さんは今、海外に仕事で行ってますので相談は出来てないです。でも、進藤さんからどのような服を着ればいいのかは教えて貰いました。パーティで着れるような服を貸してくれるとも言われましたが、どう考えてもサイズが合わないので」


「あまりその辺は考えてなかった。考えてみれば、一週間後にパーティなんて困るよな。本当に悪かったと思ってる。これは１つの提案だが、俺には姉がいて、姉と諸住さんは背丈も一緒くらいだと思う。姉の服でよかったらこちらで用意するがどうだろうか？」

「それは助かりますが、本当にいいのですか？」


「ああ。バッグもあると思う。靴はサイズというか履き心地もあるので一応持ってくるが、合わなければプレーンなものを履いて貰えればと思う。髪のセットと、メイクは当日に美容室に行って名前を言えばいいように手配もしておく。これは仕事の一環だから、費用のことは何も心配しないでいい。諸住さんは俺の隣にいてくれたらそれでいいから」


『俺の隣でいてくれたらそれでいい』


　その言葉にドキッとしてしまった。
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