晴れのち曇り ときどき溺愛
「合併して色々あったの」


 吸収合併されてからシステム課で一から仕事を覚えたこと。今は補佐から営業になり、少しだけ応用に入ったこと。そして、新しいプロジェクトの一員となって、今日もそのミーティングに入っていたことを話す。今までと全く違うことで毎日が追い立てられているけど、今は少しだけ仕事も覚えてきたので気持ち的に楽になったことも。知識が足りないで日々勉強していることも全部話した。


 そんな私の言葉を聞いていた遥は私に向かってニッコリと微笑んだ。


「思い通りにならないことばかりかもしれないけど前向きなのが梨佳のいいところだよ。愚痴りたくなったらいくらでも連絡して。出てくるのは難しいけど電話ならいつでも聞くから」


「梨佳なら出来るとは思うけど、玉砕した時、骨は拾ってやるからやれるだけやってみたらいい。梨佳には同じ会社に琉生がいるだろ。琉生はたまに暴走するけど頼りがいはある。困ったときは琉生を頼んだらいい。それにどうしても駄目だったら俺の会社にくればいいだろ」


 拳はそういうと自分の持っているグラスをのビールを飲んで空にした。


「暴走はしないけど傍にはいるから。困ったことがあったら俺が何とかする。同じ会社にいるからこそ手伝えることもいっぱいあると思う。だから安心しろ」


 琉生も拳と同じようにビールを飲みほした。



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