晴れのち曇り ときどき溺愛
 お祝いの日の夜は優しい時間だった。


 拳のお祝いに行ったけど、私の話を聞いて貰って癒されたのかもしれない。次の日の朝は穏やかな気分で目を覚ますことが出来た。今日はプロジェクトの内容の確認とパーティに行く準備をしないといけない。服の件は下坂さんのお姉さんが服を貸してくれるというからその辺は安心だけど、だからと言って安心ばかりはしてられなかった。

 何時もよりも早い時間で電車に乗り、営業室に入ると既に下坂さんは自分の席パソコンを動かしていた。営業室に入ってきた私に気付くとニッコリと綺麗な微笑みを浮かべた。下坂さんだけがいて、まだ誰も出社してなかった。


「おはようございます」

「おはよう。昨日言っていたパーティの服の件だけど、姉の服を持ってきた。もう姉は着ないそうだから、そのまま着れるようだったら貰って欲しいって」


 下坂さんは大きめの紙袋を持って私の机の方にやってきた。どのような服を着たらいいのか分からなかったから貸りるのは助かるけど貰うとなると躊躇してしまう。
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