晴れのち曇り ときどき溺愛

同期と言う名の友だち

 終わったと思った。

 玲奈の代役をどうにか勤められたと思いながらも胸が痛い。進藤さんも積極的に結婚という風ではなく義理で来ていたようだし私の役目も終わり。悔しいくらいに優しくて女の子をドキドキさせる進藤さんのことが目に浮かぶ。

 心の奥底に何かが燻っているのを感じながらも気付かないふりをした。


 そして、お見合いをして二週間が過ぎた頃、玲奈から『全て終わった』とメールが来た。代理でのお見合いは「ご縁がなかったこと」と穏便に話は終ったらしく。怜奈からしきりに感謝された。進藤さんも義理でお見合いに来ているのだから分かっているけど「ご縁がなかった」というのは何となく寂しいと思ったりもした。断るつもりでお見合いに行っているのに、何となく振られてしまった気がする。


『梨佳のおかげで仕事は上手く行くし本当に助かった』

 玲奈には美味しいと評判のイタリアンレストランで高級ワイン付きの食事もご馳走にはなったけど、形容しがたい思いは燻り続けている。もう会えないと思うと胸の奥が落ち着かない。


「久しぶりに飲みに行くか?」



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