晴れのち曇り ときどき溺愛

新プロジェクト始動

 月曜日の朝は昨日、何もなかったかのように私は営業室に入り、下坂さんも何事もなかったかのように机で仕事をしている。営業室に入る時にどんな顔をしようかと悩んだのは一瞬で営業室に入ると大きな波に飲まれた。


 月曜の朝で憂鬱な顔をする人も多い中で満面の笑みを浮かべながら出勤してきた斉藤さんはいつもと同じかそれ以上に元気だった。


「おはようございます。さ、今日も頑張りましょ」

「おはよう。なんか凄く元気ね」


 私がそういうと、斉藤さんはさっき以上にいい微笑みを浮かべた。この休みの間に何かいいことがあったというのは間違いない。


「土曜から彼女の部屋にずっと泊まっていたんですが、昨日の夜も離れたくないっとずっと言われて困ったんです」

「黙れ。煩い」


 ブリザードのような見城さんの言葉が春の陽だまりにいた斉藤さんを極寒の吹雪の中に連れて行く。一瞬で凍らせるほどの圧力だった。


「そんな無駄口を叩いている暇があったら、この前のシステムの報告をして貰おうか。一分後か?二分後か?」

「せめて一時間」

「一時間後に報告を持ってこい。男に二言はないよな」


 見城さんの言葉に斉藤さんは顔を泣きそうな笑いを浮かべた。


「善処します」

「善処でなく結果を持って来い」
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