晴れのち曇り ときどき溺愛
「今度は私も一緒にどこかに食事にでも出かけましょう。美味しいお店があるんですよ。絶対に梨佳さんも気に入ると思います」

「嬉しい。どんな店ですか？」

「とにかく女の子ならきっとみんな好きだと思います。期待していてください」


　そう言いながら、絵里菜さんは自分のスケジュール帳を開きだす。彼女の中では一緒に食事に行くことは既に決定事項のようになっている。絵里菜さんとは確実に距離は縮まっていた。

「その話はそのくらいで。ではみんな揃ったので今から朝礼を始めます。席に座ってください。まずは先週の結果の報告。見城から」


　月曜日の朝礼は数字の確認や今の進捗状況のことをみんなで共有する。今週からは新プロジェクトもあるので下坂さんとのことがなくても今日は特別な月曜日だった。システム課に配属されて初めてプロジェクトに参加する。


　下坂さんから名指しされた見城さんは手元の資料を見ながら読み上げていく。今の時期の成績としてはかなりよく順調と言える。そして、井上さんと斉藤さんと続いて、次は私となったのだが、発表できるほどの内容はなかった。


　朝礼が終わるとみな散り散りになっていくが私と見城さんは下坂さんに会議室に呼ばれた。これが第一回目のプロジェクト会議になる。
< 260 / 361 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop