晴れのち曇り ときどき溺愛
 一緒に居て楽しかったのは私も一緒でパーティの時も、私のマンションの部屋でも二人で過ごした時間が楽しくて仕方なかった。何よりも嬉しかったのは私だけが楽しかったという独りよがりではなかったことだった。


「私もです。いい経験をさせて貰いました」

「そう言って貰えると助かる。無理強いしたのは自分でも分かっているから」

「それでは資料室に行ってきます」


 私は営業室を出るとそのまま真っ直ぐに資料室に向かう。最初に何度も足を運び資料探しをしたのでどこに何がおいてあるのかも分かるようになっていた。合併前に資料室になんか殆ど行ったことないのに、システム課に配属されてからはかなりの割合で資料室を利用している。そして、今日は見城さんから頼まれたものを探しに行くつもりだった。

 月曜日の朝からここを利用する人なんて限られている。私は資料室に入ると資料を乗せるワゴンを押しながら、整然と並べられた段ボールの中から必要なものを出していく。今日は思ったよりも量が多かった。


 隅に置かれたテーブルの上に段ボールから必要な資料を取り出し、それがどのダンボールから取り出したものかを付箋に書いて貼っていく。

 そんな作業をしていると、私のスーツのポケットに入っていた携帯が震えた。そこには琉生からのメールが届いていた。
< 264 / 361 >

この作品をシェア

pagetop