晴れのち曇り ときどき溺愛
「確かに目標とする割り当てはあるけど、三人で担当しているのを忘れないで。あ、それと定時を過ぎたから迎えに来たんだ。携帯鳴らしても出ないし」


 資料室には時計がなく、パソコンのバーに時間の表示はあるけど全く気にしてなかった。営業室を出た時に携帯を持って来てないことに気付いたけど、下坂さんのいる営業室に戻るのがどうしても嫌で私はそのままにしていた。


「携帯は営業室に置いたままでした。つい、資料集めに必死になってました」

「とりあえず今日の分の確認をしたいから営業室に戻ってくれる?」

「はい」


 資料室の片付けをして私は見城さんと一緒に営業室に戻った。そこには朝、営業室から出た時と同じように下坂さんがパソコンの前で仕事をしていた。見城さんと一緒に戻ってきた私を見ると、スッと立ち上がった。


「十分で確認を終わらせてから、今日は解散」


 下坂さんの言葉は本当で今日の進捗状況の確認を終わらせて、内容の確認をして終わった。下坂さんの前で私は普通に振る舞えたと思う。朝は出来なかった進捗状況の説明をして、自分なりのシステム構築を説明すると下坂さんも見城さんもそれを静かに聞いてくれた。

「諸住さんのは悪くない。それをもう少し削ってから見城のシステムと合わせてみよう。私の方の確認は明日にしよう。じゃ、今日はこれで終わろう」



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