晴れのち曇り ときどき溺愛
私はテーブルに届いたビールの入ったグラスで琉生と乾杯すると冷たく冷やされたグラスに口を付けた。喉を流れる冷たさが私の中のモヤモヤを少しだけ流してくれる。いっぱい飲んで忘れられたらいいのにと思いながらもふとした瞬間に下坂さんの顔が浮かぶ。重症だと思うけど下坂さんが忘れられない。
「仕事は好きなの。でも、一緒に仕事をしている下坂さんも見城さんも仕事が出来るの。与えられた仕事は私よりも多いのに、それを軽く終わらせるの。こんなに仕事が出来なかったのかと思うほど仕事が出来ない自分が悲しくなる」
琉生はずっと一緒に居たからか、私はスルリと自分の心の中にある蟠りを吐き出してしまった。誰にも言えないこんな汚い自分の思いを吐き出しても琉生は何も表情を変えずに私の話をビールを飲みながら聞いている。頷くでもなく言葉を挟むでもなく、ただ、私が言い続けることを聞いていた。
テーブルの上に並んだ食事も手を付けることなく話し続けた私に琉生はニッコリと微笑んだ。
「相変わらずの負けず嫌い。梨佳よりも他の二人が仕事が出来るのは単純にこれまでの積み重ねだろ。あの二人は合併前からシステム課にいるんだから、梨佳と能力が一緒だったほうがおかしい。でも、梨佳。考えても見ろよ。合併して『営業補佐』だったのに『営業』になった梨佳は凄いと思う。俺は同期として負けたくないって思った」
「琉生も頑張っているんでしょ」
「仕事は好きなの。でも、一緒に仕事をしている下坂さんも見城さんも仕事が出来るの。与えられた仕事は私よりも多いのに、それを軽く終わらせるの。こんなに仕事が出来なかったのかと思うほど仕事が出来ない自分が悲しくなる」
琉生はずっと一緒に居たからか、私はスルリと自分の心の中にある蟠りを吐き出してしまった。誰にも言えないこんな汚い自分の思いを吐き出しても琉生は何も表情を変えずに私の話をビールを飲みながら聞いている。頷くでもなく言葉を挟むでもなく、ただ、私が言い続けることを聞いていた。
テーブルの上に並んだ食事も手を付けることなく話し続けた私に琉生はニッコリと微笑んだ。
「相変わらずの負けず嫌い。梨佳よりも他の二人が仕事が出来るのは単純にこれまでの積み重ねだろ。あの二人は合併前からシステム課にいるんだから、梨佳と能力が一緒だったほうがおかしい。でも、梨佳。考えても見ろよ。合併して『営業補佐』だったのに『営業』になった梨佳は凄いと思う。俺は同期として負けたくないって思った」
「琉生も頑張っているんでしょ」