晴れのち曇り ときどき溺愛

自分の気持ちの行先

 自分の心が定まらないままにベッドから身体を起こすと、全くお酒の酔いは残ってないけど、身体に気怠さが残っていた。

 琉生のことを考えていると眠れなくて、私はベッドの中で何度も寝返りを打った。いつの間にか少し寝ていたみたいだけど、何度目かに目が覚めた時には仕事に行くために起きないといけない時間になっていた。


 眠れない夜を過ごしても必ず朝は巡ってくるもので、私は溜め息を零しながらベッドから起きるしかなかった。一晩考えても答えは出なかった。

 琉生は私に強引に答えを求めなかった。私が望むとおりに時間もくれるという。でも、私はいくら考えても答えが出ないかもしれないと思った。

 琉生のことは好き。でも、それは友達としてであって、私が今、恋をしているのは下坂さんだった。でも、下坂さんには絵里菜さんという婚約者がいて、私の恋は失恋が決定している。だからと言って、失恋したから琉生にっていうのも何かが違う気がする。堂々巡りの中に時間だけが過ぎていた。

 何も食べる気にもならず、どうにか準備を終わらせると会社に向かう。いつもと一緒の時間に一緒の道を歩いて駅まで行くのに、今日は足が重い。

「おはようございます」

 何回目かの溜め息を零し、営業室に入るとそこには下坂さんだけがいて、既に自分の机にあるパソコンで仕事を始めていた。入ってきた私にニッコリと微笑んだ。

「おはよう」
 
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