晴れのち曇り ときどき溺愛
逃げたくなると言いながらもきっと最後まで一生懸命仕事をする。真面目で颯爽と仕事をこなして行く姿に憧れる。厳しさの中に感じる優しさを私はこの数か月で何度も感じて来た。
初めて会った時、私は下坂さんに一目惚れしてしまった。そして、一緒に働くようになってから憧れのような思いを抱き、深まる思いに胸に痛みを感じていた。恋の苦しさを何度も感じていた。でも、それは私の勝手な思いで決して叶うことのない願いだと知っている。
「でも、逃げないですよね」
「上に立つものが逃げたら周りが困るだろ」
逃げたいと言いながら、周りの事ばかり考える。どこか不器用な下坂さんがとっても好きだと思った。でも、この思いはずっと胸の奥に沈めることにした。私の思いは下坂さんを困らせるだけ…。下坂さんには絵里菜さんという決まった素敵な婚約者がいる。
「諸住さんは逃げたくなったことある?」
「合併後、営業から営業補佐になって、今までと全く違う仕事をしないといけなくなった時に逃げたくなりました。分からないことだらけでどうしていいか分からない毎日を過ごしてました」
「でも、逃げなかった。ま、逃げたとしても逃がさないけど」
「もう逃げませんよ。大変だけど、今は仕事を頑張りたいと思ってます」
一時間という時間はあまりにも短い。話をしながら走っていた首都高速はいつの間にか私のマンションの方に向かって走り出していた。
初めて会った時、私は下坂さんに一目惚れしてしまった。そして、一緒に働くようになってから憧れのような思いを抱き、深まる思いに胸に痛みを感じていた。恋の苦しさを何度も感じていた。でも、それは私の勝手な思いで決して叶うことのない願いだと知っている。
「でも、逃げないですよね」
「上に立つものが逃げたら周りが困るだろ」
逃げたいと言いながら、周りの事ばかり考える。どこか不器用な下坂さんがとっても好きだと思った。でも、この思いはずっと胸の奥に沈めることにした。私の思いは下坂さんを困らせるだけ…。下坂さんには絵里菜さんという決まった素敵な婚約者がいる。
「諸住さんは逃げたくなったことある?」
「合併後、営業から営業補佐になって、今までと全く違う仕事をしないといけなくなった時に逃げたくなりました。分からないことだらけでどうしていいか分からない毎日を過ごしてました」
「でも、逃げなかった。ま、逃げたとしても逃がさないけど」
「もう逃げませんよ。大変だけど、今は仕事を頑張りたいと思ってます」
一時間という時間はあまりにも短い。話をしながら走っていた首都高速はいつの間にか私のマンションの方に向かって走り出していた。