晴れのち曇り ときどき溺愛
こういう風に一緒に食事に来るのは久しぶりだった。どこに行くのかと思っていたら、会社から少し離れた場所にある定食屋だった。人気の定食屋だから、中々入ることは出来ないけど、少し早く休みを取ったから入ることは出来た。向かい合って仕切られたテーブルで向かい合って座ると…。言葉に詰まる。
「日替わりでいい?」
「はい」
下坂さんと何を話していいのか分からない。海外から帰ってきたら話したいこともあったのに、今は何も頭に浮かばない。
「ベートヴェンの『月光』がとっても素敵でした」
「人に聞かせるレベルではないかもしれないけど、たまに疲れた時に弾きたくなる。あの日は空港から隆二に用事があって店に寄ったら留守だったから少しだけ弾いて隆二を待つつもりだった。でも、そこに諸住さんが来るとは思わなかった」
「絵里菜さんに誘われて一緒に食事をしてました」
「それは隆二から聞いた。で、諸住さんのことを気に入ったって言ってた」
「…。そうですか」
そんな話をしていると店の人が今日の日替わり定食を運んできた。お財布に優しいのに新鮮な野菜を使った料理の数々は優しい味がすることで人気がある。
「妬けたよ。素直に自分の気持ちが言える隆二に」
「日替わりでいい?」
「はい」
下坂さんと何を話していいのか分からない。海外から帰ってきたら話したいこともあったのに、今は何も頭に浮かばない。
「ベートヴェンの『月光』がとっても素敵でした」
「人に聞かせるレベルではないかもしれないけど、たまに疲れた時に弾きたくなる。あの日は空港から隆二に用事があって店に寄ったら留守だったから少しだけ弾いて隆二を待つつもりだった。でも、そこに諸住さんが来るとは思わなかった」
「絵里菜さんに誘われて一緒に食事をしてました」
「それは隆二から聞いた。で、諸住さんのことを気に入ったって言ってた」
「…。そうですか」
そんな話をしていると店の人が今日の日替わり定食を運んできた。お財布に優しいのに新鮮な野菜を使った料理の数々は優しい味がすることで人気がある。
「妬けたよ。素直に自分の気持ちが言える隆二に」