晴れのち曇り ときどき溺愛
会議室を出ると下坂さんはホワイトボードの自分と私の名前の所に『進藤商事』と書き込む。まだアポも取れてるとは思えないけど、それでも並んで書かれてしまい、私が下坂さんに同行することが決まってしまった。
「梨佳さん。進藤商事ってお兄様に会うんですか?」
「分からないの。アポも取れているのかいないのか。プロジェクトの売り込みに行くみたいなんだけど」
「そうなんですね。でも、さっきから春くんがニコニコしているから怖いです。機嫌がいいのに怖いって思われるって変なんですが」
私が下坂さんの方を見ると視線が合って、下坂さんはニッコリと笑う。それを見た絵里菜さんは『ほらね。怖すぎる』と私に耳打ちをした。
「絵里菜さんが私の代わりに行ってくれないかな?」
「嫌ですよ。だって、なんで自分の実家の会社に行かないといけないんですか。それに、私。今日は定時に上がってエステに行くつもりです」
エステ…。
さすがお嬢様と思ったけど、今日だけは私の代わりに下坂さんと一緒に行って貰いたかった。下坂さんに質問に質問で返したツケを私はどうやっても払わないといけないようだった。なんで好きな人に追い詰められるのだろうかと思ったけど、逃げ道はないようだった。
「梨佳さん。進藤商事ってお兄様に会うんですか?」
「分からないの。アポも取れているのかいないのか。プロジェクトの売り込みに行くみたいなんだけど」
「そうなんですね。でも、さっきから春くんがニコニコしているから怖いです。機嫌がいいのに怖いって思われるって変なんですが」
私が下坂さんの方を見ると視線が合って、下坂さんはニッコリと笑う。それを見た絵里菜さんは『ほらね。怖すぎる』と私に耳打ちをした。
「絵里菜さんが私の代わりに行ってくれないかな?」
「嫌ですよ。だって、なんで自分の実家の会社に行かないといけないんですか。それに、私。今日は定時に上がってエステに行くつもりです」
エステ…。
さすがお嬢様と思ったけど、今日だけは私の代わりに下坂さんと一緒に行って貰いたかった。下坂さんに質問に質問で返したツケを私はどうやっても払わないといけないようだった。なんで好きな人に追い詰められるのだろうかと思ったけど、逃げ道はないようだった。