晴れのち曇り ときどき溺愛
昔、一気に株価が下落して連鎖倒産をしたのをテレビで見たことがある。会社が倒産してシャッターの前で従業員が大声を出していた。生活が掛かっているから必死な形相だった。
「とりあえず五条からのメール待ちだな。俺か梨佳に返事を送るように言っている。五条の立場があるから詳しいことが聞けるか分からないが、それでも俺らよりは何か情報が入るだろう」
「うん。何か分かったら教える」
「梨佳」
「ん?」
「俺、運がいいから大丈夫だと思う。俺の傍に居るから梨佳も大丈夫。俺の運の良さは周りに伝染する」
琉生が私を余計に心配させないように言ってくれているのは分かる。だから、私も琉生に無理やり作った笑顔を見せた。
「私も負けないくらいに運はいいから」
「さすが梨佳。じゃ、行ってくる」
そう言うと琉生は携帯を片手に営業室を出て行った。自分の席に戻ると営業室を見ると本気で溜め息を零したくなるような状況になっていた。自分の会社が倒産という話が出るほどの財務態勢とは思いもしなかった。
「とりあえず五条からのメール待ちだな。俺か梨佳に返事を送るように言っている。五条の立場があるから詳しいことが聞けるか分からないが、それでも俺らよりは何か情報が入るだろう」
「うん。何か分かったら教える」
「梨佳」
「ん?」
「俺、運がいいから大丈夫だと思う。俺の傍に居るから梨佳も大丈夫。俺の運の良さは周りに伝染する」
琉生が私を余計に心配させないように言ってくれているのは分かる。だから、私も琉生に無理やり作った笑顔を見せた。
「私も負けないくらいに運はいいから」
「さすが梨佳。じゃ、行ってくる」
そう言うと琉生は携帯を片手に営業室を出て行った。自分の席に戻ると営業室を見ると本気で溜め息を零したくなるような状況になっていた。自分の会社が倒産という話が出るほどの財務態勢とは思いもしなかった。