晴れのち曇り ときどき溺愛
「お疲れ様。少し休んだら？」

「だな。昼飯も食ってないし、コンビニに行って何か買ってくる。梨佳はどうする？なんかついでに買ってくるか？」

「大丈夫」

「了解。何か欲しいものがあったら電話して」

　琉生はコンビニに行ってしまい、また私は一人になった。机の上にはさっき買ったばかりの缶コーヒーがあった。缶コーヒーに口を付けると微糖なはずなのに甘く感じた。

　琉生が戻ってきて、食事を済ませても会社の上司からの連絡は何もなかった。営業課の課長もずっと不在だし、係長や主任には何も情報が降りて来てない状況。琉生は携帯でゲームをし始めた。いつもはゲームなんかしないのに落ち着かないみたい。私はというと、何をしていいか分からずただぼーっと過ごすしか出来なかった。

　そして、いきなり社内放送が流れた。

『社員の皆様に連絡いたします。十五時より取締役会での決定事項を連絡します。第一会議室に社員の皆様は集まってください。パソコンの社内ポータルで同時放映もしますので、会議室に来られない方はそちらをご覧ください』

　避難訓練にしか使われたことがない放送が急に流れるとドキッとしてしまう。避難訓練並に非常事態だから放送なのだろうが、メールで連絡が来ると思っていたから驚いた。
　
　第一会議室は大きな会議室だけど全員が入るのは無理なのでパソコン内でも見られるように同時放映するのだろう。


「取締役会か。俺は会議室に行くけど梨佳はどうする？」

「私も行く。ここに居ても落ち着かないから」

「確かに」

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