晴れのち曇り ときどき溺愛
琉生と飲みに行ってもただ一緒に食事をして帰っただけになった。ビールも少しは飲んだけど、楽しんで飲む雰囲気ではなかった。
「落ち着いたら、また飲みにいこうな」
琉生は私に優しく声を掛けてくれた。自分だって心配なはずなのに私を気遣ってくれる。
「うん。また明日もあるしね」
駅で別れて自分の部屋に帰ったけど、朝までなんとなく落ち着かず、その次の日に会社に行ったら、また状況が変わっていた。
取締役は全員責任を取って辞職ということが決まっていて、リストラはないものの社員には新会社の体制になる前に自主退職も募集されていた。自主退職を望む人は退職金が満額出るというのもあって、これからの仕事を思うと不安に思ったのか自主退社を選ぶ人も多かった。
吸収合併する会社名は伏せられたままだったけど、世間的に発表する時が私達社員が知る時になるのだろう。情報が漏れないように細心の注意が配られているように感じていた。
琉生も私も自主退職という形は望んでなかった。多少の配置換えは覚悟はお互いにしているけど、何よりも辛いのはこの中途半端な状態かもしれない。玲奈は常務取締役と一緒に退職するようにしたらしい。玲奈は忙しいらしく私の元に届いたのはメールだけだった。
『常務と一緒に退職する。これからの事が決まったらまた連絡するね』
メールの返信はしたけど、その後の連絡はなかった。
「落ち着いたら、また飲みにいこうな」
琉生は私に優しく声を掛けてくれた。自分だって心配なはずなのに私を気遣ってくれる。
「うん。また明日もあるしね」
駅で別れて自分の部屋に帰ったけど、朝までなんとなく落ち着かず、その次の日に会社に行ったら、また状況が変わっていた。
取締役は全員責任を取って辞職ということが決まっていて、リストラはないものの社員には新会社の体制になる前に自主退職も募集されていた。自主退職を望む人は退職金が満額出るというのもあって、これからの仕事を思うと不安に思ったのか自主退社を選ぶ人も多かった。
吸収合併する会社名は伏せられたままだったけど、世間的に発表する時が私達社員が知る時になるのだろう。情報が漏れないように細心の注意が配られているように感じていた。
琉生も私も自主退職という形は望んでなかった。多少の配置換えは覚悟はお互いにしているけど、何よりも辛いのはこの中途半端な状態かもしれない。玲奈は常務取締役と一緒に退職するようにしたらしい。玲奈は忙しいらしく私の元に届いたのはメールだけだった。
『常務と一緒に退職する。これからの事が決まったらまた連絡するね』
メールの返信はしたけど、その後の連絡はなかった。