晴れのち曇り ときどき溺愛
近くのカフェには何回も来たことがある。店の前には看板の一つもない煤けたような白壁に木で出来たドアがあるだけの店は何の店なのかさえ分からない。食事が出来る店であることさえ分からないようにひっそりとしていた。
お見合いの時も小汚いと言う言葉が合うラーメン屋に案内された。今日も決して綺麗とは言えない定食屋の暖簾を潜る。そして、暖簾を潜りながら見城さんは私の方を向いてニッコリ笑った。
「店の建物は古いけど天麩羅が美味しい。室長も俺もこの近くの取引先に行く時はよく行ってた。天麩羅でよかったかな?」
「はい。好きです」
「でも、どうかな?座れるといいけど」
「え?」
店の中に入るとカウンターが並んでいた。そして、カウンターの前に並んだ椅子は全部で八個。それ以外にはテーブル席もなかった。真っ白なパリッとした調理服を着た男の人がいて入ってきた私たちを見て目じりをクシャっとした。
「いらっしゃい。席が二つしか空いてないですがどうします?今、入られたばかりだからお待たせすると思います」
カウンターの奥の男の人の言葉の通り、席は二つしか空いてない。それも、並んで空いている席はなく一つ飛びに席は空いていた。
お見合いの時も小汚いと言う言葉が合うラーメン屋に案内された。今日も決して綺麗とは言えない定食屋の暖簾を潜る。そして、暖簾を潜りながら見城さんは私の方を向いてニッコリ笑った。
「店の建物は古いけど天麩羅が美味しい。室長も俺もこの近くの取引先に行く時はよく行ってた。天麩羅でよかったかな?」
「はい。好きです」
「でも、どうかな?座れるといいけど」
「え?」
店の中に入るとカウンターが並んでいた。そして、カウンターの前に並んだ椅子は全部で八個。それ以外にはテーブル席もなかった。真っ白なパリッとした調理服を着た男の人がいて入ってきた私たちを見て目じりをクシャっとした。
「いらっしゃい。席が二つしか空いてないですがどうします?今、入られたばかりだからお待たせすると思います」
カウンターの奥の男の人の言葉の通り、席は二つしか空いてない。それも、並んで空いている席はなく一つ飛びに席は空いていた。