晴れのち曇り ときどき溺愛

「諸住さんは営業補佐で配属になっているけどウチの課は仕事が大変だから、仕事に真摯に向き合い頑張るものでないと残れない。仕事が出来ないと判断されると別の部署に配置転換になる。それは諸住さんだけでなく、他のものも一緒なんだ。見城も井上さんも斉藤も仕事が出来ないと判断されたら配置換えだ」


　今の配属先がまた数か月で変わるかもしれないというのが衝撃過ぎる。でも、その話を聞きながら何となく腑に落ちた。営業室内に揃えられている備品は一流の物だし、私に与えらえたパソコンのスペックもかなりのもの。仕事をする環境としては最高のものを準備されている。


「わかりました。頑張ります」

「一つだけ言っておく。この課に営業補佐は今まで居なかった。居ないと言うよりは必要なかった」

「はい」

「私の言っている意味は分かるか？」」


　一瞬、営業補佐がいらないということは私もいらないと言われたような気がした。でも、下坂さんの真意は違った。戦力になれということ。


「はい。今日、色々な書類を見ました。でも、分からないことだらけでした」

「当たり前だろ。だから、諸住さんには井上がいる。井上は人を育てるのが上手い。見城も斉藤も井上が面倒を見て育てた」