魅惑への助走
「お前、脱ぐといい体しているようだな。そういえば武石さんもそんなこと言ってたような」
片桐はその手を、私の肩から胸へと移動させ、胸の形を確かめるかのように……。
「やめてください。男優さんがメーカーのスタッフにセクハラなんて知れたら、出入り禁止になりますよ」
思わず口にしてしまった。
「出禁?」
片桐は鼻で笑う。
「俺を出禁にして、お前に何かプラスになると思うか? 俺を喜ばせて、ご機嫌取っておいたほうがいいぞ。また俺がお前の作品に出演でもすれば、お前は一躍人気作家に」
条件が出された。
このセクハラを耐え忍ぶと、人気男優片桐が私の作品に優先的に出演してくれるという。
当世若手ナンバーワンとも称される人気男優が、私の作品にコンスタントに……?
嫌だとは思いつつも、心が揺らぐ。
セクハラを受け入れた代償に、私は売れっ子作家になれる?
そんな打算・計算が心の中で膨らみ始めると、セクハラに対する抵抗も中断してしまう。
片桐はその手を、私の肩から胸へと移動させ、胸の形を確かめるかのように……。
「やめてください。男優さんがメーカーのスタッフにセクハラなんて知れたら、出入り禁止になりますよ」
思わず口にしてしまった。
「出禁?」
片桐は鼻で笑う。
「俺を出禁にして、お前に何かプラスになると思うか? 俺を喜ばせて、ご機嫌取っておいたほうがいいぞ。また俺がお前の作品に出演でもすれば、お前は一躍人気作家に」
条件が出された。
このセクハラを耐え忍ぶと、人気男優片桐が私の作品に優先的に出演してくれるという。
当世若手ナンバーワンとも称される人気男優が、私の作品にコンスタントに……?
嫌だとは思いつつも、心が揺らぐ。
セクハラを受け入れた代償に、私は売れっ子作家になれる?
そんな打算・計算が心の中で膨らみ始めると、セクハラに対する抵抗も中断してしまう。