魅惑への助走
 SWEET LOVEの屋台骨を担う、絶対的エースたるべき専属男優。


 社長が条件として挙げているのは、以下のようなこと。


 容姿端麗で。


 性的魅力に満ち溢れていて。


 こちらの要求する役柄をこなせる演技力があって……。


 その上、取材などにテキパキと対応できたり、ブログなどにしっかりとした文章を書くことのできる、学力優秀で高学歴な男性が好ましいと指定していた。


 「そんな申し分ない人がいたら、とっくに芸能界からスカウトされてるはずよねきっと」


 第一周りが放っておかないだろう。


 そんな素敵な人。


 どこかに出会えずにいるのだとしたら、きっとそれはダイヤの原石のような存在なのかと思った。


 岩石の奥に埋もれて、その輝きをまだ発揮できていない……。
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