魅惑への助走
 会計にて。


 「あ、自分の分は私が」


 「いいって。今は私のほうが収入多いんだから。いつか明美ちゃんが出世した時に、私におごってくれればいいから」


 「ありがとうございます」


 飲み物と軽食代は先輩が支払ってくれた。


 それから店を出て、空を眺めた。


 今日は秋晴れ。


 夏とは違う空の色。


 どこまでも青く、そして空は高かった。
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