魅惑への助走
「だめ?」
着ているものが、少しずつ緩められていく。
「いいよね?」
「それよりまず、今後の家計のやりくりについて……」
私の肌を求めるその腕から何とか逃れようとしたものの、
「明美の引力の前に、俺は無力だよ」
また訳の分からない、どこかのクサい歌詞のような台詞を甘い声で、私の思考能力を低下させる。
たまには真面目に相談しなきゃならないことも、たくさんあるのに。
抗えないまま、今夜も私は……。
何一つとして問題は解決しないまま、ただ官能の波に溺れ続けていた。
着ているものが、少しずつ緩められていく。
「いいよね?」
「それよりまず、今後の家計のやりくりについて……」
私の肌を求めるその腕から何とか逃れようとしたものの、
「明美の引力の前に、俺は無力だよ」
また訳の分からない、どこかのクサい歌詞のような台詞を甘い声で、私の思考能力を低下させる。
たまには真面目に相談しなきゃならないことも、たくさんあるのに。
抗えないまま、今夜も私は……。
何一つとして問題は解決しないまま、ただ官能の波に溺れ続けていた。