魅惑への助走
 罪悪感など頭の中から吹き飛んでいた。


 ただひたすら、目の前の行為に夢中で……。


 その最中、時折冷静に名自分を取り戻し、彼氏以外の人とこんなことをしている自分が信じられず、混乱してしまう。


 でもその次の瞬間には、絶え間ない刺激に吐息が漏れ、余計なことなどどうでもよくなってしまう……の繰り返しだった。


 もうどうでもよかった。


 求め合う本能のままに、ひたすら求めて、感じて……。


 波のように打ち寄せる快感の中、やがて意識は真っ白になっていた。
< 365 / 679 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop