魅惑への助走
***
「おはようございます」
月曜日。
新しい一週間が始まり、SWEET LOVEのオフィスに到着。
「あら明美ちゃん、いつもより遅かったんじゃない?」
やはり予想通り、松平社長のほうが先に来ている。
「すみません。列車に一本遅れまして」
「急ぎの用は特にないから大丈夫よ。土日に届いたメールやファックス、もしも重要なものがあったらチェックしておいて」
「了解しました」
まずパソコンを起動し、SWEET LOVEのオフィシャルメールアドレス宛に届いているメールをチェック。
……まさかとは思うけど、葛城さんからのものがないか心配だった。
ホテルから逃げ帰ってしまい、その後怒ったりしていないかどうか、今になって不安になってきた。
料金を請求されたらどうしよう。
……不安は杞憂に終わり、ユーザーからのDVD感想メール以外は特に異常なし。
ファックスも広告がいくつかあったのみ。
今朝遅れて到着したのは、電車に一本遅れたせいだけど、それは意図的なものだった。
遅くなるのが分かっていて、いつもより一本後の電車に乗った。
いつもの時間に出勤するのが怖かった。
早くから勤務しているという葛城さんに、遭遇してしまいそうな気がして。
「おはようございます」
月曜日。
新しい一週間が始まり、SWEET LOVEのオフィスに到着。
「あら明美ちゃん、いつもより遅かったんじゃない?」
やはり予想通り、松平社長のほうが先に来ている。
「すみません。列車に一本遅れまして」
「急ぎの用は特にないから大丈夫よ。土日に届いたメールやファックス、もしも重要なものがあったらチェックしておいて」
「了解しました」
まずパソコンを起動し、SWEET LOVEのオフィシャルメールアドレス宛に届いているメールをチェック。
……まさかとは思うけど、葛城さんからのものがないか心配だった。
ホテルから逃げ帰ってしまい、その後怒ったりしていないかどうか、今になって不安になってきた。
料金を請求されたらどうしよう。
……不安は杞憂に終わり、ユーザーからのDVD感想メール以外は特に異常なし。
ファックスも広告がいくつかあったのみ。
今朝遅れて到着したのは、電車に一本遅れたせいだけど、それは意図的なものだった。
遅くなるのが分かっていて、いつもより一本後の電車に乗った。
いつもの時間に出勤するのが怖かった。
早くから勤務しているという葛城さんに、遭遇してしまいそうな気がして。