魅惑への助走
 「これって……。かなりまずいんじゃないの」


 模擬試験の結果をよく見ると、判定は合格確率20パーセントにも満たない。


 このような合格判定は、確率ゼロと書かれることはまず有り得ないので、20パーセント未満ということはかなり合格可能性が低いということ。


 やはり日に日に、成績が低下してきている。


 浪人生活が長くなったからといって、成果が上がってきているとは限らない……。


 「このままヒモの面倒、一生見続けることになってもいいの?」


 葛城さんの言葉が蘇る。


 二人の未来に暗雲が立ち込めていることを、ひしひしと感じずにはいられない……。
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