魅惑への助走
 「確かに経歴には私と似た点も少なくないですね。だけど私、こんなに巨乳じゃないですよ」


 手元には資料として、竹田朱実ちゃんの画像がプリントアウトされたものが何枚かある。


 普通の会社員のような、スーツ姿の上半身の一枚。


 AV女優っぽい雰囲気の一枚。


 前作の濡れ場のワンシーンの数枚……。


 相手役男優の手の中から、零れ落ちそうな巨乳。


 プロフィールにはバスト100センチ以上、Hカップと紹介されている。


 ただし服を着てしまえば、その下にこんな巨乳が隠れていようとは、なかなか分かりにくい。


 真面目なスーツ姿の下に隠された、豊満すぎるそのボディとのギャップが激しすぎて、視聴者は画面から目が離せなくなること間違いなし……。


 「主演・竹田朱実。脚本・武田明美のダブル・タケダアケミで売り出せば話題性百倍じゃないかって、DWSから意見も出たんだけど……。明美ちゃん嫌でしょ?」


 「はい、それだけは……」


 松平社長も無理強いはしてこなかったので、ダブル・タケダアケミ計画は結局立ち消えとなった。
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