魅惑への助走
 「……なかなか案が浮かばないと聞いた時は焦ったけど。いざ書き始めてみたら快調だったし、発売した書籍も売り上げ上々!」


 帰国後、引っ越し作業も一段落した頃。


 少しの間お休みしていた小説執筆活動を再開。


 帰国前に書きだめをしておいて、忙しくて執筆できない間も書きだめを小分けして、担当の梨本さんが私の代役でサイト上にアップしてくれていた。


 読者は私がコンスタントに執筆を行なっていると思い込んでいるはず……。


 ようやく私生活が落ち着いたので、帰国後初めて梨本さんにお会いした。


 いつも数時間滞在するので、おかわり自由のドリンクバーがある近所のファミレスにて。


 まず一杯口にしてから、梨本さんは携帯小説各社の売り上げランキング表を見せてくれた。


 今週の売り上げ一位は、またしても私の最新作……。


 梨本さんのアドバイスの下、イギリスの地で執筆した、ハイレベルな男とのオフィスラブだ。
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