魅惑への助走
 ……さっきまで延々と盛り上がっていたというのに。


 再びメールで一時間近く、コミュニケーションが続けられた。


 話の内容は。


 たわいもない、高校時代にクラス内で誰と誰が付き合っていただとか、好きだっただとか。


 さっきファミレスで思い出せなかったことを、シャワーの間にふと思い出したので、さっそくメールで伝えた。


 懐かしい話が続いたものの。


 ふと気づくと時計は深夜二時に迫っており、そろそろ明日が厳しくなりそうなので、名残惜しいもののおやすみの挨拶をした。


 「ごめんね。武田さん明日早いのに」


 「こっちこそメール長引かせてゴメン。またご飯食べに行った際にでもゆっくりとね。あ、電話もする!」


 そしてようやく、おやすみの挨拶。


 久しぶりに楽しい気持ちのまま、眠りにつくことができた。
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