ひゃくぶんの、いち。


「知ってたよ。全部、聞いてたから」


離れた声。


「事故のことは…知らなかったけど、まだ坂崎さんがこの学校にいるってわかったから、先生に頼んだ」


一歩近付いた声。


「俺は坂崎さんのことを何も知らないから、もし今日坂崎さんが来てくれたのなら、絶対見つけてやるって思ってた」


また数歩近付いた声。


「だから、逃げないで」


真正面から、ぶつけられた声。


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