ひゃくぶんの、いち。


羽柴くんに好きになって欲しいだなんて不毛なことは願わずに、況してや羽柴くんが少しでも私を気にしてくれているんじゃないかなんて自惚れないようにしていたのに。


羽柴くんが私を知っていてくれたことに気がついたあの日から、その言葉に嬉しくて舞い上がってしまったあの時から、今日までずっと。


忘れられない羽柴くんの背中に、謝り続けている。


こんな体で羽柴くんに会いたいわけではないけれど、もう元には戻らないから。

卒業式に参加するかと訊かれた一ヶ月前から、美容専門学校に通う姉の力を借りて、何とか人前に出ても恥ずかしくない姿にはなったと思う。


一番、綺麗に手入れをしてもらったのは、髪の毛だけれど。


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