一生に一度、言いたかった言葉
「んじゃ、改めて乾杯。」

びしょ濡れホストに言われて乾杯した。

びしょ濡れホストは、隣には座らず、対面だ。

他は隣に座ってるみたいだけど。

たわいもない雑談をして、シャンパンを飲み干すと、びしょ濡れホストは、席を立ち、他の席に移った。

「どーもーヘルプでーす。」

違うホストがやってきた。

あぁ、これがヘルプのホストってやつか。

「オレンジジュースでいいんですよね?」

「うん。」

用意されたオレンジジュースを一口飲んだ。

「いやぁ、店長を助けてくれて、ありがとうございます。」

ん?店長?

「てか、あのホスト店長なの?」

「あ、知らなかったっすか。店長だし、バリバリ稼ぐ人ですよ。」

「へー。」

ホストクラブの店長が、なんでラブホテルの壁に、雨が降るなか寄りかかってたのは、聞かないことにした。
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