夏祭り
夏祭り
__________ You __________









クーラーなんて教室にはなくて、窓側と廊下側にある2台の、たった2台の扇風機で
この猛暑を乗り切る私たち。

みんなシャツのボタンを開けて、下敷きで扇いでいる。



_____ 夏祭り

この暑さが伝える報せは、やっぱり夏祭り。
好きな人と結ばれる花火、美味しい屋台、浴衣。


全部小さな頃からの憧れだった。

去年はおばあちゃんが亡くなって、夏休みどころじゃなかったからどこにも行けなかったけど。
今年はあの夢、叶ったらいいな。って思う。



私の夢は、「 ヒーローになる! 」 とか 「 プリキュア! 」
なんかよりももっと叶わない。もう叶わない。





「 あつい… 」


ポロリ、口からこぼれる。
なんで今日に限って、夏用のシャツ着てこなかったんだろう。

前髪と額の間は汗がビショビショで、シャツは下着に張り付く。
夏の代名詞はなに?そう聞かれれば私は迷わず答えるだろう。




___ 汗。

運動部に入ってるから汗をかくことは、春夏秋冬ある。
でも、なんだか夏の汗は違う。焦がされた菓子みたいにジリジリと暑い。









『 消しゴム貸して? 』


_____ 第一印象

涼しげな人。だった
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