優しく奪って
ズキン…ズキン…




護君の悲しげな顔と、思いきり逸らされた視線が。






この二つのシーンがずっとリピートされて繰り返し浮かんで来る。





目の奥に焼き付いたように離れてくれない。







『愛夢美ちゃん体育館に行ってみない?これから盛り上がるバンド出る予定なんだ!』





グイグイと引っ張られてる腕が時折痛いと感じる。


歩く速度も違うからかな?



さっきから小走りしてて息苦しい。











護君の時は、こんな風に感じるなんて無かったのに。





繋いだ手も心地好かったし、途中何度も振り返って私を気遣ってくれてたから。






それが心地よくて凄くドキドキしてたのに。









今、俊明君と歩いてても疲れるだけで、ドキドキもしないし……本当に失礼かもしれないんだけど…楽しくないの。






私やっぱり護君じゃなくちゃ嫌だよ。










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