優しく奪って
律ちゃんの言う通り、泣きつかれようが今までの私ならムリ!って断ってたと思う。


でもね?


律ちゃんの言葉に少しだけ期待しちゃったんだ。




“気に入った人がいたら、光伸に協力してもらうから”




実はね、律ちゃん見てて少しずつ、羨ましいなって思うようになってたの。




光伸くんの話をする律ちゃんは今までとは段違いに可愛くて、話を聞いてるだけの私も一緒にドキドキしてた。





光伸くんと付き合い始めてからの律ちゃんは、本当に幸せそうなんだもん。





いつからかな?







私も恋してみたい
私にも好きな人が出来ないかな?






私も律ちゃんの様に大好きって言える彼氏が欲しいって…ーー






ちょっとずつそんな気持ちが膨らんできてて、今日はその絶好のチャンスなのかもって思ったの。





だから勇気を出して一緒に行くって言ったんだ。




律ちゃんにはそんな私の気持ちは恥ずかしくて言えなかったけどね?



だけど普段化粧っ気のない私から律ちゃんにお願いして少しだけお化粧してもらったから、もしかしたら律ちゃんは私も乗り気だって気付いてた?





律ちゃんに借りたリップグロスをちょっとだけ唇に塗って、ドキドキしながらここまでやってきた。




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