優しく奪って
『光伸っ!!』



隣にいた律ちゃんが大きな声で手を振りながら校舎の方へと駆け出した。





慌てて律ちゃんに付いてかなくちゃ!と、思った私の足がピタリと止まる。






律ちゃんに応えるように手をあげながら笑顔で近づいてくる光伸くん。






その後ろにはわらわらと、たくさんの男の子達が付いて来てて私を見て歓声をあげていた。







えっ!!何で私を見ているの?



ど、どうして光伸くん以外にもこんなに男の子達が出て来たの!?








私は完全にパニックに陥ってその場に足が貼り付いたみたいに動けなくなった。










『愛夢美もおいでよ!』






律ちゃんが光伸くんの側まで駆け寄って、私に声をかけて手招きしてくれる。





だけど……





後ろにいる男の子達が一緒になって手招きしてるのを見たら…怖くて。


首をフルフルと横に振ることしか出来なくなってしまった。





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