優しく奪って
そんな私を見て、律ちゃんが私の方へやってきて、手を繋いで光伸くん達の方へと引っ張って行く。



「律ちゃん、恐いぃ…。そっちに行きたくない。」




半泣きで言った私を見て、焦る律ちゃん。





『光伸!ちょっとこっちに来て!!』






律ちゃんは光伸くんだけ呼んで私を男の子達から隠すように光伸くんと話し始めた。





『あの群れを避けてくれなきゃ、愛夢美が怖がってそっちに行けないよ。

光伸ひとりで迎えにきてくれれば良かったのに。』





『や…なんか、律たちが来たって言ったらさ、みんなでお出迎えしようかって事になって…』






ごめんね?と謝る光伸くん。





『お出迎えって……あんなにたくさんで来られても愛夢美が怖がるだけよ!

言ったでしょ?男の子に免疫全くない子だって』






『でもさ、律も誰か紹介してあげて!なんて言うからいけないんだよ。

みんな、期待して付いてきちゃったんだからさ。』







……紹介って!?





「わ、私そんな事頼んでない。」





律ちゃんの腕に捕まりながら揺さぶると、苦笑いしながら肩を竦める。






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