手のひら王子様
うちでの小槌、ねぇ……。



やっぱり手のひらサイズは不便なのかな……。



んっ?



でも、



椋太朗の種族とかいうヤツはみんなあのサイズなはずだよね?


だったら生活用品とか、その世界にある物は手のひらサイズの人たちサイズなわけで……。



きっと蚊やゴキブリだって……。



「桜菜ーー!!」



普段使わないくらい頭をフル回転させていた所でまた、椋太朗のうるさい声がわたしを呼んだ。



もぉ……。



せっかく集中してたのに。



「なんか焦げ臭いで!」


「あっ!!」



椋太朗の声で慌てて手元のフライパンに目を向ける。



「あーっ!!」



急いで火を消したけど……モチロン遅い。



「……はぁぁ」



深いため息と共に、仕方なく焦げた目玉焼きをお皿に乗せた。




こんなマヌケな失敗、絶対バカにされるよねぇ……。



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