手のひら王子様
柄にも無くノスタルジックな気分に浸ったりしてるから、さすがに椋太朗に心配かけちゃったかな?



何でも無いって、否定しようてしたその時。



「この紫の下着はちょっと派手過ぎちゃう?」



椋太朗の手には、取り込んだ洗濯物の中から持ってきた紫色のブラが握られていた……。




……何の心配してんのよ、このド変態はっ!!




「ギャーー!! やめて!! ちょっとしたお茶目やんかぁっ!!」


「……次やったら志倉邸の門に括りつけてやるからっ」



懲りもせずにまた下着の話題を振ってきた椋太朗は、またしてもベランダの柵の外に突き出されている。



心配してくれてる……なんてちょっとでも考えてしまった自分がバカだった……。




やっぱり椋太朗は椋太朗。




何にも考えてないタダのバカだ。
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