手のひら王子様
仕方なく解放してやると、彼は手のひらに立ち上がって服を正し始めた。
確かに、オモチャにしては動きが細やかというか滑らかというか……やけに自然だ、
「こう見えても人間や、俺は」
にしても……何故関西弁?
自称人間って言われても、どう見たって普通の人間サイズじゃないし……。
もうどっからツッコミ入れていけば良いのかわかんない……。
頭の中が大混乱中だ。
「疑ってんな? ちゃんと支倉 椋太朗(りょうたろう)って名前もあんねんぞ」
だから何よ……。
思わず即座にそう言い放ちそうになったけど、うるさそうだから我慢する。
だいたいそんな自信満々な顔で名乗られても、それが何の証明になるってのよ……。
「こう見えても十八歳やし」
しかも、年上っ!?
大きさは違えど見た目はわたしと同じくらいの年齢だ。
それにしても、こんなに年上に見えない年上初めて見たよ。
「おまえは?」
「……槇 桜菜(さくらな)」
促されるまま、躊躇いがちに答えたわたしに、
「へぇ~。良い名前やな」
こう言って笑いかけてきた……。
喋れば喋る程大きさ以外は人間っぽくて、わたしの目か頭が誤作動してんじゃないかって気がしてくる。
「ねぇ」
「んっ?」
「……なんで手のひらサイズなの? アンタ」
確かに、オモチャにしては動きが細やかというか滑らかというか……やけに自然だ、
「こう見えても人間や、俺は」
にしても……何故関西弁?
自称人間って言われても、どう見たって普通の人間サイズじゃないし……。
もうどっからツッコミ入れていけば良いのかわかんない……。
頭の中が大混乱中だ。
「疑ってんな? ちゃんと支倉 椋太朗(りょうたろう)って名前もあんねんぞ」
だから何よ……。
思わず即座にそう言い放ちそうになったけど、うるさそうだから我慢する。
だいたいそんな自信満々な顔で名乗られても、それが何の証明になるってのよ……。
「こう見えても十八歳やし」
しかも、年上っ!?
大きさは違えど見た目はわたしと同じくらいの年齢だ。
それにしても、こんなに年上に見えない年上初めて見たよ。
「おまえは?」
「……槇 桜菜(さくらな)」
促されるまま、躊躇いがちに答えたわたしに、
「へぇ~。良い名前やな」
こう言って笑いかけてきた……。
喋れば喋る程大きさ以外は人間っぽくて、わたしの目か頭が誤作動してんじゃないかって気がしてくる。
「ねぇ」
「んっ?」
「……なんで手のひらサイズなの? アンタ」