手のひら王子様
お別れ
居候七日目。
百合菜の熱も下がり、
朝一番から張り切って真っ黒焦げのトーストを振る舞ってくれた……。
……どうせならもうしばらく寝てれば良かったのに。
それからすぐに、わたしの連絡でお母さんが百合菜を迎えに来た。
最後の最後まで、
「さくちゃんも一緒に帰ろーっ!」
って駄々こねてたのを引っ張って、お母さんが車に押し込んだ……。
「桜菜」
助手席に百合菜を押し込んだお母さんが振り返り、わたしの名前を呼ぶ。
「ちゃんとご飯作ってる? ちょっと痩せたんじゃない?」
ちょっと心配そうにわたしの頭に軽く触れた。
「大丈夫。ちゃんとしてる」
まぁ、アンタのことだから心配ないけど……。
なんて続けるお母さんは相変わらずだ。
わたしは、
健康だし、自分でなんだって出来るから……。
親にとって、不安材料の百合菜と違って、わたしは安心材料だから。
百合菜の熱も下がり、
朝一番から張り切って真っ黒焦げのトーストを振る舞ってくれた……。
……どうせならもうしばらく寝てれば良かったのに。
それからすぐに、わたしの連絡でお母さんが百合菜を迎えに来た。
最後の最後まで、
「さくちゃんも一緒に帰ろーっ!」
って駄々こねてたのを引っ張って、お母さんが車に押し込んだ……。
「桜菜」
助手席に百合菜を押し込んだお母さんが振り返り、わたしの名前を呼ぶ。
「ちゃんとご飯作ってる? ちょっと痩せたんじゃない?」
ちょっと心配そうにわたしの頭に軽く触れた。
「大丈夫。ちゃんとしてる」
まぁ、アンタのことだから心配ないけど……。
なんて続けるお母さんは相変わらずだ。
わたしは、
健康だし、自分でなんだって出来るから……。
親にとって、不安材料の百合菜と違って、わたしは安心材料だから。