手のひら王子様
同棲(?)生活開始
「桜菜~。遅刻すんで」

「ん~……」



心地良いお布団の感触に酔いしれるわたしに、うるさい声がガンガン聞こえてくる……。



一人暮らしを初めて一ヶ月。


携帯のアラームで目覚める朝にも慣れた今日この頃。


耳元の声がウザくって寝返りを打つ……と、



「ギャッ!」



小さい呻き声が頭の下から聞こえてくる……。



それに慌てて飛び起きたわたし。


そっと視線を下に向けると、


「……忘れてた」



枕の隅っこで唸る椋太朗が居た。

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