手のひら王子様
「椋太朗のおかげで……わたし、家族と向き合えたんです」



いつだってわたしを見ててくれるんでしょ? 椋太朗?




だからわたしは独りぼっちをガマンしなくてよくなったんだ……。




「だから……もし、椋太朗も……」



椋太朗が反発する理由はわからない。



でも、お父さんと向き合って欲しい……。




バカでやたらポジティブなアンタだもん。



わたしのときみたいにわだかまり、吹き飛ばしちゃえるよね?




わたしに出来ることなら、いくらだって手伝う。




「今度はわたしが、椋太朗が向き合えるように手伝いたい……」



たった今、固めた決意を口にする。




そうすればきっと叶うって気がした……。



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