手のひら王子様
「何すんねん椿雪っ。感動の再会に水差すなやっ」
椿雪さんに叩かれたおでこをさすりながら、椋太朗はブツブツと文句を垂れている……。
「何をおっしゃってるんですか……。桜菜さん、ホントは椋様は昨日の夜から意識が戻ってたんですよ」
「えっ!? ……じゃあ」
椿雪さんの言葉に目を丸くするわたしを、しどろもどろした椋太朗が首を左右に振って否定している……けど。
「今までのはヤラセです」
「演出やっ! 桜菜との再会を感動的にする為の……」
……見た目が大人っぽくなったところで、中身は同じ椋太朗だ……。
わたしはあからさまな呆れ顔でため息をついた。
「それに、俺が頼んだんは桜菜の案内だけやったのに……椿雪がベラベラベラベラ……」
どうやら椿雪さんが椋太朗の話をしてくれたのは、椋太朗の言う“演出”ってヤツには含まれていなかったらしい……。
動くに動けない椋太朗を良いことに、目の前で勝手に赤裸々に告白された生い立ちに椋太朗は不満げだ。
椿雪さんに叩かれたおでこをさすりながら、椋太朗はブツブツと文句を垂れている……。
「何をおっしゃってるんですか……。桜菜さん、ホントは椋様は昨日の夜から意識が戻ってたんですよ」
「えっ!? ……じゃあ」
椿雪さんの言葉に目を丸くするわたしを、しどろもどろした椋太朗が首を左右に振って否定している……けど。
「今までのはヤラセです」
「演出やっ! 桜菜との再会を感動的にする為の……」
……見た目が大人っぽくなったところで、中身は同じ椋太朗だ……。
わたしはあからさまな呆れ顔でため息をついた。
「それに、俺が頼んだんは桜菜の案内だけやったのに……椿雪がベラベラベラベラ……」
どうやら椿雪さんが椋太朗の話をしてくれたのは、椋太朗の言う“演出”ってヤツには含まれていなかったらしい……。
動くに動けない椋太朗を良いことに、目の前で勝手に赤裸々に告白された生い立ちに椋太朗は不満げだ。