手のひら王子様
「なぁ、今度の連休に行きたいとこあんねん」


「……どこ?」


「秘密や」


ちょっと前に、意識が戻ったんやったら顔を見せなさい、って親父から電話があった。


無視しようって思ってたけど、たまには会いに行ってビビらせるのもオモロイかもしらん。


そんなことを考えながら、不思議そうにこっちを見つめる桜菜に俺はニッと笑いかけた。




-終-

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