ねぇねぇ、聞いて。
そして、2時間後。


「ちょっとだけ髪の長さ揃えたからな。それと、・・・・・・・どう?まぁ、これでも大分変わったと思うよ。」


鏡に写る私の髪は、ところどころに茶色のメッシュが入っていて、黒も残っている。


それに切られた髪も綺麗に揃っていた。


なんか、・・・・・・・私じゃないみたい。


「どうよ?いい感じじゃない?」


私は頷いた。


変われたって髪だけじゃ言えないけど、でも、私のイメージは壊れたと思う。


私は藍さんに口パクでありがとうと言った。


藍さんは笑って、


「兄貴驚くと思うぞ。それ見たら。まぁ、もし怒られたら俺にやられたって言っとけ。そしたら怒られねぇから。なんせ、あいつは俺に勝てないからなー。」


と言って笑う藍さんは男前すぎて、私も笑顔になった。


ちょっと笑顔がひきつるけど。


多分、全然笑ってなかったから。


「じゃあ、とりあえずそれでいいか。明日学校だろ?びっくりすんな。それ見たら。」


確かに。


私はノートに明日だけだから大丈夫と書いた。


「そっか。まぁ、いい夏にして来い。ここじゃなくて田舎もいい所だと思うぞ。」


私は頷いて、店を出た。

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