ねぇねぇ、聞いて。
何分かして律希がまた部屋に戻ってきた。


「なぁー、仁華ー?さっきおばさんに会ったんだけど、今日帰れないって。」


「えー?なんで?」


「なんか、同じ地区のおじいちゃん倒れたみたいでさ、今日だけお世話してくって。まぁ、田舎ではそういうこと良くあるよ。若い人少ないから。」


「そうなんだ。分かった。・・ゴホッ、がと。」


「ってことで!!俺が看病してやるよ!!」


「えっ!?ゴホッゴホッ、・・・はぁ、移るよ?」


「大丈夫!!ほら、横になって。」


律希に布団を掛けてもらって私はもう1度布団の中に。


律希が手を出して私のおでこに触れる。


私はびっくりして目をつぶる。


「ふふっ、そんなにビクッてしなくても。大丈夫だよ。」


優しく笑う律希。


私、やっぱりおかしいよ。


前はこんなの別にどうも思わなかったのに。


急に、変に意識しちゃってる。


「ねぇ、律希?」

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