ねぇねぇ、聞いて。
仁華は俺の前まで来るとその場に倒れた。


びっくりして仁華の身体に触ると熱くて、風邪を引いてるってすぐ分かった。


俺は荷物を置いて、仁華のことを抱えて部屋まで運ぶ。


初めて入ったけど、綺麗に整頓されていて仁華っぽかった。


呼吸苦しそうだけど、大丈夫なのか?


俺は台所を借りさせてもらって、氷水にタオルを洗って仁華のおでこに置いた。


おばさんこういう時にいねぇーのかよ。


仁華の目が覚めるまでずっと隣にいて看病した。


熱測るのはちょっと躊躇ったけど、見ないようにして測った。


38度・・・・・高熱じゃん。


はぁーーーーー。


昨日から具合悪かったのかな?


俺はそっと仁華の手を握った。


俺の手の中にすっぽり入ってしまう。


背はそんなに低くないけど、やっぱり手を見ると普通の女の子なんだよな。


普段そういうの気にしないけど。


仁華はどっちかっていうと、活発だし、元気だし、女の子っぽくはない。


でも、弱ってる仁華を見ると・・・・・なんか、こう、ほっとけなくなる。


俺、変?

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